07.28
120年前の「無料プレゼント」を使ったマーケ戦略から学ぶ、モノを売るための秘訣
先日、無料コンテンツを利用したマーケティングについて勉強していたのですが、とても興味深い事例を見つけました。
120年前のマーケティングの事例なのですが、モノを売る上でめちゃくちゃ大事なポイントだよな〜と思った部分があったのでシェアします。
「自宅で作れるフルーツゼリーの素」ってご存じですか?
日本でいうフルーチェとかですかね。
初めてフルーツゼリーの素ができたのって1890年代らしいです。てっきり昭和ぐらいにできたものかと思ってたらかなり歴史が古かった・・・・
ゼリーってゼラチンからできてるのですが、当時の食用ゼラチンは色も味もないとても淡白な物質でした。
で、発明者のパールは「最初から味とか風味とか色々付けちゃえば人気出るのでは?」と、ゼラチンに果汁・砂糖・染料等を加えて果物の色と風味もつけてみた。
そうして生まれたのが粉末ゼラチンの「ジェロ」
が・・・全く売れなかった。
2年間宣伝しまくるも成果が出ず、「ダメだこりゃ」ってことで最終的にパールはジェロを450ドルで事業売却します。
買ったのはオレーター・フランク・ウッドワード。
売れなかった原因とその打開策
ジェロは類似商品が世の中に全くなかった。
だからお客さんは「何も知らなかった」んですね。
使い方も、使うメリットも、使った後の未来も、そもそも存在自体も・・・
しかも当時の商店って、今のスーパーと違って店の人に「あれください」って頼んでそれをバックヤードから持ってきてもらう形式だったんだとか。
そりゃ知らなきゃ売れようがないわなって感じです。
この辺の事情を踏まえてウッドワードはある作戦を立てました。
ニーズが無いなら作ればいい
ウッドワードがやったことは以下の通り。
まず、雑誌広告でジェロを「超人気デザート」みたいな感じで誇大宣伝します。
その後営業マンを利用してジェロを使ったデザートのレシピ本を1万部作ってタダで配って回りました。
商店の人たちにも「ジェロを買いたいって人がたくさんくるよ」と仕入れをすすめて回ります。
これで下準備が完了。売れるのを待ちます。
結果は・・・大成功!
450ドルで買ったジェロの事業は年間100万ドルを売り上げる事業に発展しました。
このプロモーション以降、「無料で情報を提供する」という手法がどんどん流行っていったんだとか。
ちなみに今でもよく使われてますよね。
スーパーの入り口とかに置かれてるペライチの料理レシピです。
ニーズを作るために必要なのは・・・
この事例を聞いて私が思ったのは、やはり使い方を教えるってすごく大事だということ。
どれだけ素晴らしい商品も使い方が分からん事には活かしようがない。
逆に言えば何でもないものでも使い方さえ教えてあげれば欲しくなっちゃったりする。
プロテインとかもそうですよね。
世間では「マッチョやガチアスリートが飲むもの」というイメージが強いと思います。
が、プロテインって要はタンパク質の塊。
飲めば空腹感が無くなる、運動一切しない若い女性のダイエットでもめちゃくちゃ役立つアイテムだったりもします。
そういえば100均のボウルとかも、金属の流線美をひたすら語るより「改造すればポケットWi-Fiがパラボラアンテナになるよ」みたいな話をした方がよっぽど欲しくなるはず。
こんな感じで、「使えばどうなるのか」を教えてあげるってとても大事。
有料コンテンツの販売やアフィリエイトで、よく限定性とか希少性をアピールするのを見かけます。
が、この手のテクニックって「内心欲しいなと思ってるものを買おうか買うまいか迷っているところを最後の背中を押してあげるためのもの」であって「欲しくないものを欲しくさせる技術」ではないので注意。
私も商品を売るときはこの辺のことを意識していきたいですね。
ではまた!
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